蜜白玉のひとりごと
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乾ききった落ち葉の、カサカサいう音でふりかえると、つむじ風が巻きおこった。くるくるくるくる。落ち葉のおかげで、風の姿が見える。
私はいてもたってもいられなくなって、一緒に歩いていた友達に、「つむじ風に飛びこんでいい?」とことわって、返事も待たずにつむじ風に走っていった。わーい!
前から一度やってみたかったのだ。でも、さすがに一人でいる時には恥ずかしくてできなかった。今は友達が一緒。願ってもないチャンスだ。
しかし、いきおいこんで走っていったのはよかったのだが、近づき過ぎると風の中心がどこだかわからなくなった。結局、私はつむじ風に飛びこみ損ねた。
「つむじ風、逃げたよ。つむじ風に飛びこみたいなんて人、初めて会ったわ。」半ば、呆れた顔で、友達はそう言った。
** TODAY 'S BGM ** 浜田 真理子 / のこされし者のうた
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