蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2002年04月07日(日) わがままなふたりのはなし

7週間ぶりに数字の2に会った。まったく遠距離恋愛のような私たちだけれど、これでもふたりは一応都民である。こんなにも会わないで(会えないで)いる理由はいろいろある。仕事の都合もあるし、お互いの家が遠いというのもある。けれども、そういう物理的な制約なんかよりももっと決定的な理由は、ひとりでいるのが好きだから。

別に会いたくないわけではない。矛盾しているようだけれど、少なくとも私は、いつでも会いたいと思っている。それと同時に、ひとりでいたい時間、ひとりで観たい映画、ひとりで行きたい場所というのがある。

ひとりで行きたい場所は、たとえば美術館がそうで、行くときは必ずひとり。恋人も友人も家族も誰も誘わない。何年か前までは、友人と一緒に行くこともあったけれど、そのたびにやっぱりひとりで来ればよかったと思った。と言うのも、私は相当のめり込んで絵を見るので、必ずと言っていいほど一緒に来た人とはぐれるし、そうならないように気を遣うと、今度はじっくりと絵を見るどころではなくなる。それに、絵を見ている間は誰にも邪魔されたくない。特に、横から感想を言われると困る。見ている瞬間は、完全にひとりの世界がいい。誰かとその瞬間を分かち合えるほど、私はまだ器用じゃない。

これだけわがままでいられるのも、ひとりだからできることだろう。ひとりは軽快で自由で、少し寂しい。だから私はひとりでいることに飽きると、今すぐにでも2に会いたくなる。そしてひさしぶりに会うと、それぞれが過ごした時間について、思い出せるかぎりのことを話す。それはとても楽しく驚きに満ちていて、ふたりでいるのもいいなと思う。


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