蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2002年04月14日(日) 本屋でrendez-vous!!

さっきから、隣の家の前に車が止まっている。大学生らしい男の子が一人乗っていて、窓を開けて辺りを眺めながら煙草を吸っている。隣の家の女の子を待っているようだ。女の子は玄関と車の間を何度も行ったり来たりしながら、なかなか出かける仕度ができないようだ。それでも彼氏は根気よく、もう1時間近くも待っている。いいから早く出かけたらいいのに、なんて、部屋の窓からときどきのぞき見る私も私だけれど。

誰かを待つのが苦手だ。待ち合わせをすると、相手が現れるまでずっとどきどきしている。ちゃんと来るかな、どっちの方から来るかな、どんな格好をしてるかな、来たら見つけられるかな、向こうは私に気づくかな、…。これは恋人に限らず、友人でも同じことだ。私はたいていの場合、約束の時間ぴったりに待ち合わせ場所に着く。遅れるかなと思い、途中で少し急ぐため、結果として間に合うという感じだ。私が着いた時、相手はまだ来ていないことが多い。

「待たされている」と思って腹を立てたことは、たぶんない。待てども待てども来ないと、腹は立たないけれど心細くなる。遅れてしまうのは仕方のないことだし、遅れたこと自体ははっきり言ってどうでもいい。本当にいやなのは、待っている間の手持ち無沙汰とか、どうしようもなくどきどきして落ち着かないとか、そういうことなのだ。何となくふらふらとその辺を歩いてみたり、意味もなく手帳をとり出してみたり、携帯電話の画面を見つめたり、行き交う人の靴を眺めたりして時間をやり過ごす。

だから、待ち合わせの場所にも工夫が必要で、万が一どちらかが遅れた場合でも、退屈しないですむところがいい。さらに付け加えるなら、傍から見て、待ち合わせをしているようには見えなくて、ひとりでいても何時間いても何の問題もなく、すんなりとその空間になじめるところがいい。

2とはいつも本屋で待ち合わせをする。ここなら、少なくとも退屈することはない。何時間いても苦にならない場所だ。反対に、本探しに夢中になっていて、2が来たことに気がつかないことがあった。お互いに同じフロアにいながら、40分も相手を待ちつづけていた。私はフロア内をうろうろと歩いていたのに、一度もすれ違わなかったのだから、今考えても不思議だ。40分間、本探しに夢中になりつつも、どきどきして苦しかったことは言うまでもない。


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