蜜白玉のひとりごと
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頭の芯がビリビリとしびれ疲れているのに、どうせ起こされるとわかっているから構えてしまってなかなか眠れない。
夜中、父に何度も呼ばれる。寝入っているときに不意に起こされると、そのたびに心臓がドキリとする。ひどいときには一晩に10回以上起こされる。体勢を直してほしいとか、追加の薬を入れてほしいとか、オムツがもれたとか、着替えたいとか、用事はいろいろだ。言われたことをこなして自分のふとんに戻って寝ても、30分と経たないうちにまた呼ばれる。さすがにイラッとすることもある。寝たり起きたりを繰り返しているうちに目がさえてしまったり、めまいがしてきて気持ち悪くなることもある。
父も母も薬を飲まないと眠れない。父なんて薬を入れても(もはや「飲む」ではなくて、胃ロウから「入れる」なのだ)2時間と続けて眠れない。体が痛かったり苦しかったりで起きてしまう。そして一度起きるとなかなか寝ない。父が寝てくれないと私も寝られない。
今、父も母も眠っている。親の眠っている様子をそっとうかがって、なんてさびしい状況だろうと思った。子どもの寝顔を見にいくのとはわけが違う。
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