蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2010年05月04日(火) 落鳥

文鳥まるが死んでしまった。

朝、鳥かごの辺りがあまりにひっそりと静かで、予感がした。鳥かごにかぶせた布を半分までめくって中をのぞくと、まるは止まり木の下に横向きに倒れていた。信じたくなくてパッと布を元に戻した。横にいた相方に、まるが死んでる、と言おうとしたけれど、目を見開くばかりで言葉が出ない。

意を決して布をどかして、震える右手でまるをそっと鳥かごから出す。あとはもう、涙が止まらなかった。

昨日の午後、私が実家から帰ってきたときにはもう、さらにお腹が前に膨れて、口をあけて苦しそうに速い呼吸をしていた。これはいかんな、と思いすぐに薬と水を飲ませてしばらく様子を見ていたけれど、それ以上は何もしてあげられない。まるを包むように手に乗せると、しゃがんでウトウトし始める。手のひらに触れる足がぼうっと熱かった。それでも鳥かごに戻してあげるとしっかりといつもの場所に止まった。まだもう少しの間だいじょうぶかもしれない。でももしかしたらだめかもしれない。考えが行ったり来たりした。

夜、寝かせるときに鳥かごに布をかけながら、まる寝るよー、おやすみ。そう声をかけたのが最後だった。まるは私が家に帰ってくるのを待っていたのだと思う。そして私の誕生日まで生きていてくれた。まる、がんばったね。ありがとう。


 まる (桜文鳥・メス・5歳) 
 2005年4月25日 我が家に来た日
 2010年5月4日  落鳥


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