蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2010年12月17日(金) ザクザク霜柱

キンと冷えた朝、歩道脇の市民農園はいちめん霜におおわれて真っ白だ。日の当るところはまぶしく光って目が痛いほど。日陰の土は霜柱にぐっと持ち上げられ、ザクザクと踏みたい衝動に駆られる。見ていると実家の庭の様子が気になる。

先々週に移植したシランは、霜柱に持ち上げられて倒れていないだろうか。芽が出かけているとわかっていながら掘り上げたスイセンの球根は、新しい場所にうまくなじんでいるだろうか。

行くと日がな一日シャベルと熊手とスコップで土まみれだ。慣れない肉体労働に、翌日は二の腕や背中や手のひらが筋肉痛になる。今は土壌改良や移植が主な作業で、優雅なガーデニングからはほど遠い。固く締まった土を30〜50センチの深さまで掘り返し、雑草の根や石ころを取り除く。地味でまめな作業の反復。雨で酸性に傾いた土は雑草が増えやすいので石灰を混ぜて中和する。2週間くらいしたら今度はそこにたい肥や腐葉土を混ぜてふかふかで栄養のある土にする。新しい植物を植えるのはそれからだ。目標は3月までにそれを庭全体に施す。少しずつ位置をずらしながら、植物をあっちへやりこっちへやり、植生やら人間の動線やら2階からの眺めやら考えて頭も使う。

それでも時間を忘れて黙々と作業するのは心底楽しく、東京にいる間は遠い庭を思って次の手順を考えてにんまりする。


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