蜜白玉のひとりごと
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男の子同士の会話って、真剣なのになんかおかしくて、かわいい。昼休みに食堂みたいなところでお昼ご飯を食べていたら、少し離れた席の3人の男の子(と言っても30手前くらい、ただし半分学生なのでどこか子どもっぽい)が、ゲームに熱中しているときに横から女の子がおしえてと言ってきたらおしえるかどうか、という話で盛り上がっていた。ゲームって、てっきりピコピコやる方のことかと思ってしばらく聞き耳を立てていたら、卓球とかテニスのゲームのことだとわかった。
俺はぜってえおしえねえ、めんどくせぇーし、黙ってろって感じ、と大きな声で虚勢をはるひとり。お前は?と聞かれた方は、俺は、おしえる、めっちゃていねいに、とサラッと答えた。その瞬間いっせいに、きもちわりぃーー!とふたりから非難されていた。手とり足とりテニスをおしえるのって男の子にしてはきもちわりぃーーことなのだそうだ。その後はバドミントンの話題に移り、バドミントンってまじでちょーかっこいいんだって、シュッシュッてなって、すげぇーはえぇーの。女の子とやる、こういう放物線の(と言いながら手を山なりに動かす)バドミントンもいいけどさ。
結局、女の子の話がしたいのか、スポーツの話がしたいのか。いずれにしても微笑ましくて、ぷっと吹き出してしまいそうなのを必死にこらえて、なるべくそっちを見ないように、すましてごぼうサラダをつつきながら気配を消して、なおかつ全身を耳にして聞いていた。もうおもしろくておもしろくて。そういえば、ずっと前にバスで耳にした「鍋で煮たコーヒー」の話も男子大学生だったような。男の子同士の会話って、真剣なのになんかおかしくて、やっぱりかわいい。
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