蛍桜 |
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青色と水色の中間で待ってる |
いろいろ詰まってる箱に飛び込んだら 私が飛び込んだせいで いろんなものが飛び散った 残ったものを必死に掻き集めてみたけど 私がほしかったものはそこにはなかった 諦めてその箱から飛び出して 外からその箱を眺めることにしたら 上からまた誰かが飛び込んだ 今度は何も飛び散らなかった しばらくすると箱から人が出てきて 欲しいものを手に入れたと喜んでいた それを私は見つめて 私の欲しいものってなんだったんだろうって考えた だけどなんだか考えるのがめんどくさくなったから その箱を外から撫でて とりあえず、さよならをした 多分あの中には私にとって必要なものもあったけど あの時の私は気づけなかった 零れ出したものたちのほうが魅力的に見えて なにもかもが霞んで見えてた 私が箱にどうして飛びこんだのかは もうすでに忘れていた 別に理由なんて、なかったのかも 私は何かを、探しているのかも その箱は、ピンクと赤のストライプで とても気持ち悪いものだったけど とても女の子らしいなって思ったのだけ覚えている 私のあとに飛び込んだあの人は 青色と水色の間の色の服を着ていた 両手を胸の前で広げて 輝く何かを包み込むように持っていた 顔は輝きで見えなかったけど 私の知っている人だったような気がする 優しい匂いがした 私の胸元にぶらさがってるネックレスを手で握ってみたけど あんな輝きは現れなくて ただ金属的な冷たさが、手のひらに伝わった だけどその冷たさは何故か私にとって大切なものだと思えて 胸の中にある何かが震えている気がした そういえば今よりももっと若いころ 5年か6年前だったかな 私はチェーンに通したてんとう虫の時計を首から下げていて 電車の中でそれを強く強く握っていた気がする 今でもネックレスを握ると なんとなく、あのときのことが思い浮かぶ あのネックレスに願ったことはなんだったのか忘れちゃったけど なんかすごく、大切なキモチを持っていた気がする 気がするだけかも もし私が空の上を歩いているのなら 地の上には何が歩いているんだろうね わかんないや なんか、青いものな気だけがするよ |
2010年01月26日(火) |
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