蛍桜

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そんな落とし穴があるとは

暗闇の中に光っている階段があって
そこを歩いていたら
急に階段の光がなくなって
どこへ足を踏み出せば良いのか分からなくなった

後ろに帰るにも、どう帰れば良いのか
前に進むにも、踏み外さずに進めるのか

今自分が立っている階段のスペースさえうまく分からず
どう動いたらいいか分からない

さっきまでは確かに、目の前に階段があったはずなのに
今までは確かに、いくつもの階段を歩いてきたはずなのに

それが全て見えなくなった

階段の光は確かなものだと信じていた
なんの疑いもなく歩いていた

でももしかしたら、道を間違えたのかもしれないと
不安に陥ってしまう

暗闇の中、泣きじゃくることも出来ずに
今まで核としてあった何かを失い
ただその場に立っていることしか出来ないなんて。。。

笑えるし、泣けるし、怒れるし、哀しめる
別に何もかもを失って良いなら
踏み外すのを覚悟して、歩き出せば良い
それができないのは今まで見ていた灯りの残像が
まだ目の奥に映し出されているから
またあの光が現れるかもしれないと
期待しているから

本当は、泣いてしまおうかと思った
二粒、涙を零した

だけど涙はそこで止まった
今の私には、それ以上涙を流す意味もないらしい

ここでずっと待っていれば
違う光が現れるかな
あんまり良いことをしてこなかったけど
そんな私でも、新しい道は現れるかな

今まで光っていた階段が、再び光るのを待つか
新しい道が現れるまでこの場所で待つか
なんかもうどうでもいいやって
暗闇の中に溺れるか
勇気を出して一歩を踏み出すか


まだ私の心は勇気を出せるほど暖まってないから
しばらくはここにいるしかないんだけど

その「しばらく」って
いつまでだろう
2010年02月09日(火)

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