蛍桜

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もしあのころのままなら2

眠い眼をこすりながら、車を走らす。
耳にはiPodから流れる音楽。
カバンには、カメラ。

車を走らせて、トンネルを抜け、高速道路のパーキングに停める。
いつものことだけど、
時間より早く来すぎたから、
携帯電話を取り出して、メールをする。

時間が近づいたら、
しっかりカバンを持って、車を降りて鍵を締めて
階段を上って、高速バス乗り場に向かう。

スピードを出した車がたくさん走る脇でバスを待つ。

今までも幾度か乗ったことのあるバスだけど
待ってる間も、乗ってからも、そわそわ。

カーテンを締めて、毛布を被って
バスに揺られながら、いろんなことを考える。
昔の日記を読み返したりして
自然と笑みが浮かぶ。

いつのまにか眠りについて、気がつけば朝。
変な体制で寝たせいでちょっと頭が痛い。
まだあと1時間あるけど、もう眠れないから
携帯電話に眼を落としたり
カーテンの隙間から外を眺めたり。

到着した、とのアナウンスに荷物を両手で抱えバスを降りる。
薄暗いビルの中を階段で降りて外へ出る。
人の流れにそって、駅へ向かう。
広い駅。金色の時計。そして銀色の時計。
切符を買って、ホームを探す。
みんなは仕事に向かうため、足はやに通り過ぎる。
何度も何度も確かめて、電車に乗り込む。
座席に座って、窓の外を眺める。
走り出した電車は、田舎町の風景を映し出す。
田んぼ、川。たまに都会。
すれ違う電車が近すぎて怖い。

辿りついたその先は、ほっとする空気。
バス停を探し、そこでぼけぇとする。
変なおじさんに声をかけられるも
無事にバスに乗る。
バスを降りて、しばらく歩く。
ずっと気になってたカフェを横目に歩く。
子供の笑い声。めったに車が通らない道。
川辺につき、写真を撮る。途中の自販機で、コーヒー牛乳を買う。
全然使われていないゴミ箱に、ビンを捨てる。

適当にうろちょろして
適当にぼけぇとして
適当に写真を撮る。

ちょっと寒いけど、薄着でも平気。
このままここで凍死できたらいいのに、とか思う。

適当に時間を潰したら、またバスに乗って帰る。
途中、思い出の地を通り過ぎる。
それを凝視する。
夕日が消えていく。
思い出を背にして帰る。

たぶん、そんな感じ。

2010年02月07日(日)

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