蛍桜 |
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本当の過ち |
極稀に見る、楽しい夢 幸せな夢 みんなが私に笑いかけてくれる夢 みんなが私を大切に想ってくれてる夢 何度か見たその夢たちの共通点に 気づいてしまった 数日前に日記に書いたあの夢は、 みんなが私の目の前に居て、 みんなが私を取り囲んでくれて、 みんなが私に微笑みかけてくれて、 幸せだった だけど私はうまくしゃべれなかった しゃべろうと思っても、声が出ない しゃべろうと思っても、うまく発音出来ない 私の中で、それは、 生まれつきの障害を思い出させるものだった 障害のせいで、言葉がうまくしゃべれなかった小学生時代 それだけの連想だと思ってた だから数日前のあの夢を書いた日記には 「うまくしゃべれない自分」を理解していたにも関わらず 何も考えず幸せだと宣った この前、また楽しい幸せな夢を見た こっちはあんまり内容は覚えてなくて でも、意味的にはいつもと同じ みんなが居て、私が居て、の夢 ネトゲだったかな メッセンジャーだったかな とにかくみんなは私の目の前にはいなくて画面の中に居て それでも私を大切に想ってくれてる気持ちが伝わってきて 楽しい時間を過ごしてた はず、なんだけど 画面の中でみんなが私に話しかけてはくれてるんだけど 私はキーボードが壊れて、言葉がうまく打ち込めなかった それでもみんなは大丈夫だよ、って話しかけてくれてたし 私も会話をしているつもりになってたけど この、ふたつの夢を照らし合わせて、 なんとなく、気づいてしまった 私はいつもみんなに伝えたいことを伝えられない みんなはいろんなこと、私に伝えてくれて いろんなこと、与えてくれて なのに、私はいつも、うまくしゃべれない 自分が幸せだってことに、溺れて、 自分がうまく言葉を吐き出せてないことに 気づけないでいた あまりにもみんなが優しすぎたから みんなが居ることで幸せになれたから みんなの気持ちなんて考えなかった 微笑んでくれるその笑顔を疑わず 絆があるから大丈夫とか 私のこと好きでいてくれるから大丈夫とか なんの根拠もない安心を持っていた 私は誰にも伝えられなかったんだ どんなに醜くて どんなに弱くて どんなに汚いのか 隠し続けてたんだ 強がって かわいこぶって 完璧であろうとした もちろん完璧でなんかいられなかったけど いつも向こうからのアクションを望んでいる 向こうからの想いを待っている 私はいつも、しゃべれないから ずっと、みんなとつながってるつもりになってただけで ずっと、みんなは遠くに居た 近くに寄せなかったのは私のせい そういえば、夢でも、誰かの手のぬくもりを 感じたことが、ない みんなが居ないのが寂しかった でも、自分のせい もう、あんな夢、見ないんだろうなと思う 私が、あの夢は、楽しい夢なんかじゃないって気づいたから あの夢は、私に対する、戒めなんだ だけど、あの夢のなかで感じた幸せは本物 たとえみんなの笑顔や 言葉や、気持ちが偽物だったとしても 私がそれらに何もお返しが出来なかったとしても あの時間は楽しかった みんなと居られるのが幸せだった それは今も変わらない もう二度と訪れることのない未来 夢だけでも叶えたかった でも、夢とも、もう、さよなら もうあの夢は見ない 私のためにも、みんなのためにも みんなはもう望んでいない 私がみんなの前に現れることを 会いたいけど会えない 話したいのに話せない ありがとうを伝えたい だけど、伝えられるのは、ごめんねだけ 全部、自分のせい ごめんね |
2010年09月07日(火) |
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