マニアックな憂鬱〜雌伏篇...ふじぽん

 

 

サイトを閉じるとき。 - 2003年02月28日(金)

 僕の今住んでいる家から、車で10分くらいのところに、カレー屋があった。そのカレー屋は、もう10年以上続いており、僕がまだ大学生だった頃から、そこに存在していた。
 けっこう広い国道沿いで、かなり良い立地であるように傍目には見えたのだが、そのカレー屋に客がいるところを僕は数度しか目にしたことがなく、「よくつぶれないもんだなあ」と思っていたものだった。
 一週間前、バイト帰りにその道を通りかかったとき、いつの間にかその店が、中古車買取センターに変貌したことに気がついた。なんだか、とても寂しかった。

 よく考えてみれば、たとえば7年ほど前、大学時代に住んでいた街に、ひょっこり帰ってみれば、誰もが「ああ、懐かしい店だ」というのを発見するのと同時に、「あの店、いつの間にか無くなってる…」という感慨に浸ることもあるはずだ。
 もし自分が子供のころ住んでいた街に25年ぶりくらいに戻ってみたとしたら、きっと、知っている店なんて、どこにも残っていないと思う。
 僕は引越し族だったから、なおさら、それを確認しに行くのは辛いと感じる。

 つまり、街というのは、変わらないようでいて、常に少しずつ新陳代謝を繰り返しているということだ。
 3年前に使っていたパソコンを起動して、「お気に入り」を見てみたら、そのうち、今も巡回しているサイトって、いくつくらいあるだろうか?今も閉鎖されていないサイトって、何割くらいあるだろうか?

 たぶん、明日もいつも通りに更新するだろう。
 おそらく、明後日も。そして、一週間後も。

 それでも、閉店の時期は、きっと来るのだ。
 
 ひょっとしたら、あのカレー屋も、ずっと火の車の状態で葛藤していたのかもしれないな、と閉店して初めて思った。


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