それは 誰も知らない 内緒のお話
石ころは 考えました
「お空は 遠くて綺麗ね 私は どんな風に見えるのかしら?」
誰も答えては くれません
石ころは 鳥に聞いてみました
「ねぇ 鳥さん あなたは 綺麗な声で鳴けるわ」
「当たり前さ」 鳥は 勝ち誇った顔で言いました
「ねぇ 鳥さん あなたは 自分がどんなに綺麗な声か 自分で分かるわ
でも 私は声さえ出せないの
おまけにここから自分で動く事も できないわ
だから せめて自分が
どんなモノなのか知りたいの
私ってどんな感じ?」
鳥は 答えました
「君は ただの石ころさ 綺麗でもないし 声も出せない
無用ものさ」
鳥が飛び去ったあと
石ころは 泣きました
声は 無いけど
泣き続けました
命が無いからこそ
ずっと石ころは
泣き続けました
でも
石ころは 知りません
石ころがいっぱい集まって
大きな
とっても大きな大地を
作っている事を
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