コトバアソビ

2004年06月07日(月) 海の泡

駆け抜けてしまった季節に
私は 置いてきぼりにされて

貴男に会いたいと
恋いこがれた人魚姫は
声と引き替えに
陸へと上がっていった


傍にいて
何が出来るのだろう?
愛する事に
永遠なんてあるの?

そんな疑問を思いつかなかった
人魚姫は
泡になっていった

海の泡を
掬い上げて
口づけをしても
ただの海水になった人魚姫


私に人魚姫のような恋は
できないと
心の中で決めていた

そうでありたいと想いながら

そうでありたくないと思う


人魚姫は
どうして泡になれるほど
人を愛したのだろう

愛しさえしなかったら
今でも海で
踊っていれたのに


それでも
今日も海は波を打つ


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