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2004年09月04日(土) (9/5観劇分)『I Love You 愛の果ては?』楽、『ミス・サイゴン』一孝-岡初日

『I Love You 愛の果ては?』14:00〜

<席番>PARCO劇場A列18番(4列目センター)
<出演>川平慈英、堀内敬子、絵麻緒ゆう、戸井勝海
<演出>山田和也

結局、10日で6回行った舞台(^^;の東京楽でした。
直前まで来られるか分からなかった人や、年に数回しか
会わない人も含めて、客席には知り合いや友人がいっぱい。
開演前から、そんな雰囲気に嬉しくなりながら始まり。

「山田さんだなぁ」と思うことの1つに、
遊べる場所が決まってるコメディであることがあります。
きっちり作り込まれたうえにある余裕で魅せてくれるから、
自由に遊んでしまえる場所は結構少ない。というか、
演者の方にもそちらの方向で楽しませる舞台にしようという
意識があまりない中、日替わりは慈英さんがらみの2か所。

最初は、Act1 Scene4。
「しゃべる男たちと聞いているフリをしている女たち」の、
おまけ部分での男たちの主張では、戸井さんがいじられる。
女たちが勝手放題言いまくって去った後に、「俺たちにも
主張の場を!」と訴えた男たちに、ライトが再び当てられ、
なんとスポットライトの中、戸井さんから歌いだすという場面。
慈英さんが延々茶々入れて、歌わせてくれないんですよー。
苛められキャラの戸井さんが、ほとんど素のような状態を
慈英さんがうまく転がして転がしてやたら笑わせてくれて。

俺の出番だと必死で主張して注目を返してもらった戸井さん、
Act2,Scene2「赤ちゃんの両親は どうなっちゃったの?」の、
フランク夫妻の赤ちゃんバカっぷりに呆れかえり、ジュニアが
大人になったら連絡くれよ」とクールに帰るフレッドという場面で
雪辱戦を果たそうとしたところ、吹き出してしまった大バカ者。
このシーンの始まりで慈英&堀内夫婦が童謡の振り付けを
練習してるんですが、「君はこーんなことやってるんだよ」と、
フレッドが帰る直前にやってみせる。振り付け自体が今日は
人差し指を鼻に突っ込んだりとオーバーアクション気味で、
「さあ、できるかな?」とニヤニヤ見つめる慈英さんの視線に
戸井さん、自爆(苦笑)笑っちゃうならやるなー!

言ってみれば、振り付けをオーバーにした慈英さんの罠に
再び戸井さんが引っ掛けられたってことなんですよね。ダメすぎ。
しかも、引きずっちゃって続きのセリフでも笑いが止まらず。
観客は温かく笑ってくれたし、戸井さんが帰った後で慈英さんが
「残された俺はどうするんだよー!」って締めてくれたから
良かったけど、ちょっとダメ出したくなってしまった私。

でもなんかこの2人、テンポが合ってるみたいでいつも楽しげ。
カーテンコールでも、1幕ラストの♪結婚式の誓い を全員で
エンディングの衣装のまま もう一度演ってくれたのですが、
逃げる新郎(戸井さん)を牧師(慈英さん)が追い掛け回す場面、
あんたたち、何を勝手にじゃれてるのよ!って妬いちゃうくらい。

野郎同士の仲の良さというのは、時々無性に羨ましいし、
傍から見ている分には楽しくていいんだけど、だけどさ、
えーと、この舞台のテーマって何だったっけ?と思ったり。
結局は「しち面倒くさい男女関係やってるより、同性同士で
つるんでた方が楽しいことは確か」って見えちゃったんだけど、
楽日にそれって、まずくないのかな〜?(笑)


『ミス・サイゴン』17:15〜

<席番>帝国劇場L列26番(センターブロック下手側)
<出演>市村正親、新妻聖子、石井一孝、岡幸二郎、
      高橋由美子、泉見洋平、平澤由美、畠山紫音(タム)ほか
<指揮>塩田明弘

「あ、納得」という感じの回。今まで、
若干の違和感を感じてきた石井クリス、岡ジョン、高橋エレンが、
組み合わさると、アメリカでも観られそうな「まともな」サイゴンに。
最初に納得した、井上クリス・坂元ジョン・ANZAエレンによる
「単純な明るさと、意識しない優越感に満ちたアメリカン」たちと、
ベトナムの人々との差が直接浮き上がってくる舞台ではない。
でも、アメリカが犯した罪が題材でありながらヨーロッパだけでなく
アメリカでも受け入れられる理由が分かるような気がした舞台。

石井・(岡)・高橋だと「独自の正義感に満ちたアメリカン」色が強い。
やってることは全然変わらないのに、彼らなりに真剣に良い方法を
模索しているから、これを作ったヨーロッパ人としての視点を
忘れないように観ていないと、つい、間違って感動してしまう。
明らかに嘘くさい岡ジョンですら、あまりに三つ揃いが似合って
かっこ良く、感動的に歌い上げるから、つい だまされそうになる。
今回も、何となくいい話を観たような気がして満足してしまっていて、
観劇後しばらくして いきなり「だまされた!」と気づいたり(苦笑)

多分、本当の『ミス・サイゴン』はこれなんだろうなと思った。
どうしたらいいのか、いつも真っ向から熱く真剣に悩むクリスと、
愛する夫の子を成し、今でも彼の夢に出てくる女性という存在に
女として苦しみながらも、夫の罪を償うため親切にしようとするエレン。
彼らに真剣に共感して素直な涙を流すも良し、「けっ!これだから
アメリカ人なんてロクなもんじゃねぇ」と作品に拍手を送るも良し。
井上・坂元・ANZAだと、聡いアメリカ人は「バカにするな!」と
腹立ててしまうかもという気がする分、あくまで日本仕様な感じ。

あと、今日になって初めて、クリス(少なくとも石井クリス)の感情の
流れが、話の中でつながって理解できたのは、ちょっと感動でした。
アメリカでもベトナムでも自分の「正義」を貫ける仕事は見つからず、
くさっていたところに、ただ一つ見つけたのが「キムを守ること」。
純粋なそれを守り抜くことこそ自分の使命と感じていたのに、
それすらできず、とうとうアイデンティティの崩壊、言葉を失って。
エレンと結婚してからも、自分が保護すべきたった1つのものすら
守りきれなかった駄目アメリカンだという意識が悪夢となって現れる。
そんな感じ?もちろん、そういう存在である彼女に救われたのも
事実だろうけど、下手すると3人クリスの中で一番、キムのことを
女性(人間?)として愛していなかったのは石井クリスかも。

そんな感じで、アメリカ側がものすごい納得の舞台でした。
岡ジョンも石井クリス相手なら、政治的にでなく親しいと分かるし(笑)
もちろん、泉見君も切なさいっぱいのトゥイを今日も安定して好演。
市村さんは相変わらずパーフェクトな市村エンジニアだったけど、
この、何度もリピートして味を噛み締めたくなるアメリカ側の前だと
完成されすぎた洗練度合いが、逆に物足りない印象があったり。
新妻さん演じるキムも、防音ガラスに囲まれてでもいるかのように、
歌からも演技からも感情が伝わってこず、見えてくるものから
何を表現したいのか推測するしかないのが何とも もどかしいので、
いっそ、筧エンジニアと玲奈キムを合わせて、濃いぞ!文句あっか!
って感じのメンバーだと、きっと私好みなのかなとか思ってました。
(実は、筧・笹本・石井・岡・高橋の日って、存在しませんが。)



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