ネコヤシキ日笑
日記モドキ ↑目次|←昨日|明日→
書店をひやかしていて、『着物の時間』というムックが気になって購入。
女優さんやエッセイスト、デザイナーさんたちが着物を着た写真と、インタビュー中心の記事がたくさん載っている。
着物は好きだ。滅多に着る機会もないけれど、昨年は、母親からもらった大島紬を一度着た。つい先週も、古着の着物を売る店で、ひとつ試着をした。迷ったが買わずにきた。おカネや場所をくうので、そうそうは買えないけれど、あとひとそろい、紬かアンティークものの、ちょっと気軽な外出着になるくらいのものが持てたらと思っているところだ。
このムックに載っている人たちの着あわせやたたずまいはなかなか粋で、こんなかんじで着ることができたらいいなあと眺めた。縞や格子のもの、アジアの布を着物や帯に仕立てたものも、いい風情だ。
そして、着物姿だけでなく。
今の私には距離があるが、10年20年と生きていって、こんなおばあさんになれたらいいな、と思われる人たちが載っている。
---------
青木玉(幸田文の娘、幸田露伴の孫)
(ヘアスタイルは)「…さっさと自分でまとめてますけど、後ろに目がないから、果たしてどうなっているか、あれこれ忖度している間がない。それより、遅れないで、来てくださった方に、ちゃんと向き合えるようにしておくことのほうが大事だと思いましてね」
…「母の気性で着たものはだめ。母は強いの、私の気性のほうが、はるかに緩い。…いま、考えずに着て、着物や帯が私から浮き上がるのを、むざむざ見たくない思いです」
---------
「忖度している間」「気性で着る」「気性が緩い」「むざむざ見たくない」のようなことばづかいも、このひとらしい。母親の着物を着ると肩が凝る、と書いてあるのだが、写真では、なで肩の、力の抜けた、着物が身体に沿った風情だ。あこがれる。
|