思いっきり泣きたい衝動に駆られている。
孤独と言う恐怖に背後を奪われている。
心が、真冬に戻った外気温のごとく、体温を奪われて冷え込んでいる。
メールがさっききた。 人間としてのマナー的な社交辞令なのかと疑ってしまう自分がいる。 でも、半面、メールがきただけで うれしくてテンションがあがってしまっている自分もいる。 もう泣きそうになっているのに、これだから ぐちゃぐちゃだ。
久しぶりに、二週間ぶりに 音信のほぼ堪えていた彼と会って 顔を見て、声を聞いて、生きているのを実感して 以前と変わらないその姿に 改めて好きだと感じて また、苦しくなってしまった。 自分の首を絞めたようなものだ。 見れば見るだけ、 同じ空間で過ごせば過ごすだけ、 好きだった感覚が取り戻されて 楽しかった記憶がよみがえり、 また、あの頃のようになれるのではないかと言う錯覚に陥る。 そして、またそうしたいと希ってしまう。 キーボードを打つ手も素早く、 感情を吐き出す。
どうしようもない 可能性も、もうそんなにないのだ、と 客観的事実に基づいて もう別れを悟ったのに 理解はしていたのに、 感情で吹っ飛んだ。 そんなの風邪の前の塵に同じとて 私の生きる原動力すなわち恋愛感情というものに ひとを好きだと言うエネルギーの前に圧倒され 一掃され また視界が不明瞭になる。 遠くまで見渡せなくなる。 今いる場所は、果たして自覚している場所と合致しているのだろうか。 自分が不安定になって、波にのまれているのがわかる。 縋って縋って、縋りつきたいほどになっていることも。
彼のメールからの可能性を読みとり、 友達たちからの意見を聞き、 自分の中の感情を改めて見直し 何があったかを話して整理し 幾度も幾度もその繰り返しで またそれを行なって そして、推測だけでどう動こうかと思案して。
今は、下手に動けない時期だから それは慎重に事を運ばねばならず あやまてば一気に崖を滑り落ちること必至。 されど感情は走り 暴走の域に至る。
バイオリズムも不安定な時期に入っていないのに もうそんなのは関係するところではなく 涙は流れるし 心は浮き足立ち、焦燥でそわそわし 心臓の音がいつもよりも速くなる。
想像はあちらこちらに飛び、 なにかにつけて彼との関連事項を想起させ 希望の光を一縷の望みをどこかに見出そうとする。
どうしようもない。 感情は、好きだと叫び 身動きが取れなくなるんだ。 失いそうだから、必死にしがみついているだけなのか なんなのか。 もはや、わからない。 全てが輝いていたようにも思え(それは美化というもので) あれがあるべき正しい姿なのだと信じたくなる。 これからもあの頃のように楽しく過ごせるはずだし 価値観の一致とか、一緒にいて楽しいとか落ち着くとか 合っているところも、たくさんあるのに。 どうして恋愛における価値観だけがずれているのか、 こんなにも好きなのに。 相思相愛って、奇跡じゃないのか。 どうにかならないのか。 折り合いとか、寄り添うとか、成長とか、余裕とか。
彼は彼で何か、重大なことを なにかのきっかけでつかんでしまったのだろうか。 私の関知しないところで。 そしてそれは私には知らされず 彼は一人、去ってゆくのだろうか。 振り向かず。 そう、振り向かない、とメールには記されていた。 暗示なのか。 そのままストレートにそういうことなのか。 ぐるぐるしてしまう。 体が冷えてくる。 一緒に行きたいと言った場所が、 まだまだ数限りなくあるのに 半分も行っていないのに 夢は半ばで途切れてしまうのだろうか。 私が縋ったら、 友達としてでも付き合いを続けてそれを叶えて 私の望みは抑えたままで。 そういうこともあるのかもしれないし そんなのいつかは破綻するのだろうし それとも好転するのかもしれないし もうわからあず。 喉も乾き。 時間も迫り。 誤打が増え。
感情を吐き出し続けているのに 未だ収まらず。 指先の冷えは、あたためられるのだろうか。
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