第2話 ハリウッド - 2002年02月23日(土) 「リー、なんだい今日は。」 ブライアンがカンフー好きなのはあまり知られていない。 それがもとでジェットリーとブライアンはある友人を通して知り合いになった。 「ブライアン。ちょっときいてくれよ。やっと俺の主演作がきまったよ。俺も苦労した甲斐があったよ。やっとハリウッドで認められたってわけさ。香港ではけっこうなもんだったろう。それで次どこがいいかと思ってね、アジアを極めようと最初は思ったわけさ。それで日本かなと思ってね。ところがさ、おいらの秘書のフェイがさ、日本人は手ごわいわよって言うわけさ。俺は何って聞き返したわけ。フェイいわく、「あなたは確かに香港ではスターよ。でもそれは、香港の話、日本人はアジアになんて目をむけてないのよ。アメリカ、フランス、イタリア、もう西洋人大好きなんだから。特にあなたなんて、背は小さいし、得意なのはカンフーだけでしょ。それに99の岡村とだぶってるでしょ。容姿第一なのよ。わかる。だめだめ、行くならハリウッドね。」というわけさ。それで、俺は、ハリウッドにきたわけ。これで正解だったかもな。いよいよ運がむいてきたみたいだよ。今度スタジオでも遊びにきてくれよ。」 「OK、やったじゃないか。リー、映画ができたら家におくってくれよな。知ってのとおり映画館は嫌いでね。バイ。」 リーのマシンガントークに疲れたブライアンはまたソファに深く体を沈めた。 「日本か。」 ブライアンはつぶやいた。 1998年の初夏のことであった。 つづく -
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