第9話 男と女 - 2002年03月07日(木) 夜は長く欲望はその扉をゆっくりと開いていく。 隠しこんでいた秘密がそっと顔をだす。 古いスピーカーからオールドロックが流れている。 5杯目のホットミルクが運ばれてきた。 「もう飲めない。おなかがパンパン。」 ブライアンはここがどこなのか、いったい今 いつの時代なのかもわからなくなっていた。 ウエイトレスのリンダは豊満な胸を巧みに 利用し、ブライアンに何度もはなしかけてきた。 しかし、本人は何の興味もないようだ。 リンダもあきらめかけていた。 今まで何人の男を誘惑してきた彼女だが、 ブライアンには何の効果もなかった。 リンダは結んであったポニーテールをほどいた。 美しい金色のロングヘアーがブライアンの顔をかすめた。 そのとき、ブライアンの目が大きく開いた。 顔を上げ、リンダの顔を見た。 ブライアンは金髪ロングヘアーフェチだった。 いままで、惚れた女はいつもロングヘアーだった。 彼の心に火がついた。 「髪にふててもいいかい。」 「どうしたの。やっとお目覚め。」 ブライアンはリンダの髪にふれた。 興奮を抑えきれなかった。 饒舌になったブライアンはまるでジェットリーのように マシンガントークをはじめた。 二人はわけもなく笑い、夜はふけていった。 こんな夜の男と女がいきつくところは決まっていた。 二人は静かにバーをあとにした。 いったいどこにいくんだい、ブライアン。 お楽しみかい。 うらやましいぞ。 歌どころではないのはよくわかる。 だが、それでいいのかブライアン。 立ち上がれブライアン、歌ってブライアン。 つづく -
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