Subterranean Homesick Blues...YANG(ヤン)

 

 

第14話 ここは天国か - 2002年03月14日(木)

それから何日がたっただろう。
二人は部屋から一歩もでなかった。
食事はデリバリーですまし、
食べて、寝て、抱きあう。
これの繰り返しだ。
逃げているのはブライアンだけではなかった。
リンダも同じだった。
彼女にとっても光のもとにさらけだすには
勇気のいる事実であった。
ブライアンといえば、すっかり20代の頃の調子を
思い出していた、セックスとドラッグの毎日。
ドラッグこそないがリンダの体はそれに匹敵する
ほどの上物だった。
そして、リンダにとってのブライアンも同じであった。
ブライアンのそれは、ふだんのブライアンからは
想像ができないほどのエゴイストであった。
そこがリンダにはたまらなかった。
二人は薬なしでの純粋な快楽の追求をやめなかった。
ただ、気持ちよかったということだ。

ピアノから転げ落ちた一枚の写真、
二人はどこへいこうとしているのか。
このままでいいのか。
いい気もする。
いいんじゃないか?


つづく


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