2004年12月09日(木) |
今更「カル」を見て謎に酔う。 |
「冬」
炬燵の底で猫が遊ぶ 蜜柑を横から鷲掴みにする 死角が腐っていたので カビが指にぬめる
汚いよりも なぜ自分の指をカビが好くのか その方が不思議
だから舐め上げる 取り込んでみる 舌が痺れて苦味が走る 耐えきれなくて湯飲みに吐き出して うっすらと、甘い
冬の味なのかもしれない 乾燥して 炬燵に干された、新しいが死んだ蜜柑を 猫に放り投げる
冬を追って、猫は道へと飛び出し 私は扉を閉めてやる てんてんと好き勝手行け カビのない蜜柑はくれてやる だからもう邪魔してくれるな 閉め切った部屋で一酸化炭素と カビをすすって眠ってやるんだから
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