沢の螢

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文月
2002年07月01日(月)

日本中を熱狂の嵐に巻き込んだ「宴」も終わり、今日から7月。
文月。私の生まれ月でもある。日記も、新しくした。
昨年の今頃は、シベリア行きをひかえて、旅行の支度などをしていたのだった。
あじさいが無惨に変色していくさまに、片想いのかなしみを重ねてみたり・・・。
旱梅雨で、暑い毎日だったように思う。
今年は、雨が多く、水不足の心配はなさそうだ。
昨日は、いつもの芝居友達と、「雨にもマケズ」という、ちょっと変わったものを見に行った。
詩の朗読と、パントマイムの組み合わせ、それにオカリナの演奏が加わり、倉庫のような小さな空間で、なかなかの熱演だった。
パントマイムというのは、じかに見たのは初めてである。
俳優の汗がしたたり落ちるのがよく見え、惹きつけられてしまったが、終わってから、役者が観客に挨拶したのは、蛇足だったと思う。
舞台は、最後まで虚構の空間であってほしい。
パントマイムといえば、まず心に浮かぶのは、もう遙か昔になってしまった「天井桟敷の人々」という映画での、パントマイムの場面。
フランスの誇るパントマイム役者、ジャン・ルイ・バローの演技のすばらしさである。
日本では、パントマイムというのは、あまり人気がないのか、都心からかなり離れた、このような空間でやるのが、精一杯なのかもしれない。

その2日前に見た、文学座の芝居も、同じ友人と一緒だったが、こちらは、信濃町アトリエでの、シリアスドラマ、「ロベルト・ズッコ」。
次々と殺人を犯す主人公の心情が、今ひとつ伝わってこなかった。
悪人を主人公に据えてのドラマは、説得力が必要である。共感できるものがないと、見ている方は、乖離してしまう。むずかしいものだと思う。
でも、舞台は、楽しい。
役者と観客、舞台の空間が一体化して、初めていい芝居が生まれる。ナマの魅力である。
今月は、贔屓役者、内野聖陽演ずるところの「藪の中」がある。
この人の舞台は、いつもチケットを手に入れるのがむずかしいのだが、芝居友達の尽力で、席が取れた。
芥川作品を、現代に置き換えて、どんな芝居を見せてくれるか、今から楽しみである。

2002年07月01日 15時03分43秒



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