低雲から解かれた糸の先を探しにここまでやってきたけれど景色は青に変わり私はもとの場所へ引き返したい。鏡のような両端の森に絡まり結ばれたその目を丁寧に解き空へ返すと小さな雲に戻りまた私に投問するあの日に還りたい。
生きている人はあとどれくらい居ますか。仮面の下で違う人生を送っているくせに。私の前に現れなさい。苦しいでしょうに。 | |
悲しくてたまらない
こんな真夜中に誰かが泣く
どうして慰めていたか知っている 君を描いていた その姿も泣き顔も孤独も すべて描いて君は安らいだ
僕にはもう出来ない 理由もなく悲しむ君を 僕は描けない
悲しみが消えない 滲みながら眠りにつくんだ
君が泣き止まない 抱きしめられない君を 抱きしめるために描いていたのに 僕はいつからか間違って 理由もなく絵を描いている
僕は君を抱きしめたい 月光の下で しづかな夜に泣く君と揺れていたい
ねぇ。 君を鎮めることができないなら 絵なんか描いたって仕方がないだろう。 僕はもう描くのをやめてしまいたいんだ。 答えてくれないか。
もう僕は抜け殻の絵しか描けないのか。 | |
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