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「ウサギとカメの競争の話で、ウサギの目的はカメに勝つことであり、カメの目的はゴールにたどり着くことでした。学術的にインパクトの高い論文を書きたいとか、これまでにない新しい技術を産み出したいとか、そういう夢を持つのも良いんですが、まずは具体的な目標を立てて、それに向かって地道に進んで行くというのが大事なんじゃないかと思うんです」
「助走をつけてもう大丈夫な頃になると、みんな助けてくれる。みなさんのおかげです、と言われたいのかな。本当に助けが必要なときには他人事に徹して、楽に助けられるとなると、親身になって群がってくる。だから、きっと今ならみんな助けてくれると期待している」
「大学は就職のための窓口として重要だ。でもそれだけであり、本当に大事なのは会社に入ってからだ。大学にこれ以上いても意味はないよ。卒業しようぜ。ここには研究者になりたい人間だけが残れば良いんだ。でも、実際には、気ままに研究していれば良いなんていう世界はどこにもなかったよ」
人それぞれに様々な事情があり、 その中にはどうすることもできない事情もある。 真っ白でなくなって、灰色の部分が増えても、 それがその人の魅力を増すのでれば、 その事情にはそれだけの価値があったのだと思う。 そして、そういう人の方が僕は好きです。
研究論文を書くときに、 先行研究を引用してそれと比較して 自分の研究での工夫・相違点等を書く、 という話を聞いた。 しかし、僕の今の研究テーマは、 競合はあっても先行研究はない。 自分たちが先行しているからだ。 それが、最先端の仕事というものだ。 でも、それは別に僕がすごいわけではなく、 僕が最先端の研究機関に所属していて、 その中ではそのテーマを任されるポジションにいたからだ。 二日前に書いたことは、そういうことだ。
その研究も、もうじき終わる。
以前にある人(企業の研究員で、かなりのやり手と僕が思っている)に、 仕事選びに関していくつかのアドバイスをもらった。 いわく、
自分以外にも優秀な人材はたくさんいるから、 そんなのがたくさんいるところに行っても埋もれるだけだ、 自分を一番高く売れる場所に行け、
と。 ただしその一方で、大きな、最先端の場所で仕事をしろ、小さな場所には行くな、とも言われた。 つまりそれは、最先端の場所で、最先端の仕事を任されるポジションを選べということだ。 ただ最先端の場所にいても自分がその仕事に携われなければ意味がないし、 かといってそもそも最先端の仕事がない場所にいてはやれることがしれている。
僕が選んだ場所は、その人に言わせると、正解らしい。 それが本当に正解かどうかは、もうすぐ始まる。
話したいことがあっても、その機会がない。 というのはわりとよくあることかもしれない。
今年は、大きな区切りの年になる。 新しいスタートとともに、どれだけのものが僕に残るのか。 僕は何を捨て、忘れ、それらと引き換えに何を手に入れるのか。
きっと、昨年よりも良い年になる。
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