2008年03月21日(金)
『ずびばぜん・・・。』
電話から聞こえる獄寺君の声はガラガラしたかすれ声。 本当に申し訳なさそうに言う声のあと電話から口を離して咳き込む君の苦しそうな声が聞こえた。
毎朝君は絶妙のタイミングで俺を迎えに来る。 しかし今日は俺だけに見せてくれる極上のスマイルと『おはようございます、10代目!』という大好きな君の声が聞けないことを電話で告げられた。
風邪。
そりゃぁ・・・ひくよね・・・。 なんだか呆れながら納得してしまう。 だって獄寺君は毎朝絶妙のタイミングと見せかけて実はこの寒空の下30分前から家の前でスタンバってるし俺がうっかり寒いと洩らそうものなら自分だって寒いくせにやせ我慢して着ている上着を俺に押し付けてくるんだもん。
「解った。今日は暖かくしてゆっくり休んで、ね?ちゃんと暖かいもの、しっかり食べるんだよ!」
少しでも良くなったら俺に逢いに学校に来てしまうかもしれないだろうから念を押しておいた。
『・・・はい・・・。』
なんだか歯切れの悪い返事に苦笑しながら電話を切った。 きっと獄寺君のことだからろくに食事もとらずに適当に風邪薬と栄養ドリンクを飲んで寝るくらいしかしないだろう。 俺は君のことならお見通しなんだよ。だから手は打ってある。
「母さん、獄寺くんが風邪を引いたみたいだからお粥作ってあげてよ。俺、学校終わったら持っていくから。」 「あら、それは大変ね。うんと美味しいの作ってあげるわ。」 「うん、お願い。」
お見舞いに行くなんて前もって言うと君はきっと「風邪がうつる」だとか「10代目のお手を煩わせるなんてそんな」とか言っちゃって断るだろうから、母さんの手作りの美味しいお粥をお土産にイキナリお見舞いに行ってやるんだ。 そうしたら無下に君は断れないことはもう十分知っている。
風邪を引いてる君はさっきの電話の声から察するにきっと気弱になってる。 「右腕として情けねぇ」なんて思ってる。
ねぇ、そんなことないよ? だって俺、ダメツナなのに君の事幸せにしてあげたい計画で頭がいっぱいなんだ。ダメツナの成長にすっごい貢献してるんだよ、君は。 一流の右腕だと思うんだ。だから誇りを持ってよね。
今日の俺の『君を幸せな気持ちにする計画』は。 学校が終わったらすぐに母さんの作ったお粥を持って君の家に押しかけてお粥を温めて食べさせてあげて弱気になってる君をぎゅっと抱きしめてあげる。 そして君が眠るまで右手を握って頭を撫でてあげるんだ。
からし、風邪引きかけ&平井堅アルバムCD購入、そしてアニメ10年後獄寺登場記念(何) 風邪のときって弱気になったり、変な夢見たりしますよね! そんなときヘタレな獄寺がさらにヘタレになってそうで・・・あぁ、胸キュン。
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