独り言
i p f


2004年11月23日(火) 休日の昼下がり。『自然』とは呼び難い草木が溢れる、何処かから切り取ってきた様な公園のベンチにて。

僕の隣で
その老婆は
陽だまりの中で交錯する無数の物語を眺めている

子が投げたボールを親はうまく掴めなかった
親が飛ばした紙飛行機に子は決して乗ろうとはしない

恋人達は品定めの途中であることをひた隠し
「次の休日は大学時代の友達とディスカウントショップに行く」と嘘をつく

そんな景色を眺め
それでも老婆は
「愛が降りそそいでいるわ」
とささやき
微笑みを添える

気が付けば僕は
落ち葉に埋もれて
今まですれ違った人達の顔を必死で思い出そうとしていた



やがて夕暮れが包み
そこには誰も居ない事に気付く


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