独り言
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2006年03月23日(木) |
acidrain #2-2/道程 |
ゴーグルにまとわりつく水滴が世界を歪め 歩道は何処迄もぐらついている
前方には同じ様に管理区へと歩を進める人影が二つ それぞれに肩を落としうごめくその姿は まるで首をもがれた泥人形で 僕はそれが『自分自身を映す鏡』であるという事も忘れ お門違いも甚だしい哀れみの感情を抱き そして彼等と同じ様に肩を落として歩き続けるのだった
もう一つ角を曲がり その先の長く急な坂をのぼればそこはもう管理区の入口である
角を曲がり 坂の手前まで来て僕は呟く
「眼を閉じて 世界を闇で覆っても この坂は消えやしない」
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