それは突然の出来事だった。
今日もお気に入りの絵本『14ひきのあさごはん』を読んでいたルンバ。そのなかに出てくる小さな男の子ネズミを指差して、私が 「ルンバくんみたいだねえ」 と言うと、 「ルンバ?」 とくり返し、描かれているネズミを次々に指差して 「ルンバ! ルンバ! ルンバ!」 と言い始めた。
これまで 「ルンバ」 という単語を口にしたことがなかったルンバがである。
これはチャンスかも!と思い、ルンバに向かって 「お名前は?」 と聞いてみた。
すると彼はこう答えたのだ。 「ルンバ!」
その後は夫と2人で拍手喝采雨あられ。 ほめられたルンバは部屋中を飛び跳ねて、 「ヤッタヤッター!!!」 と大喜び。
今度は自分から 「おだだえは?ってやって!(お名前は、って聞いて)」 と催促する始末。
なんでルンバが自分のことを「おにご」と言うようになったのかも全くもって謎だったが、それが「ルンバ」に直ったのも本当に突然の出来事だった。これまでポリシーでもあるかのように、かたくなに「おにご」を貫いてきたのだ、彼は。でもこうやってきちんと言えるようになると、また一つルンバが大きくなった気がして、嬉しい反面、ちょっぴり寂しかったりして。つくづく勝手だね、親っていうのは。
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