Leonna's Anahori Journal
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2002年02月14日(木) 白い恋人

横浜へ母の見舞いに行く。
母は顔がむくんで、喉がゼーゼーしていた。呼吸をするたびに音がするなどというのは初めてのことだ。少し、心配。

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往きの京浜東北線で、向かい側の席にホームレス風のおじさんが座った。年末来、たてつづけに読んだチチさんの本の影響でつい観察してしまう。

おじさんはふっくらとした体型(特におなか)に濃紺のフリースを着て、三つくらいペーパーバッグを持っていた。そうしてその袋の中のひとつは、北海道土産の定番『白い恋人』のバッグだった。おなじみの雪景色のついたその紙袋はかなりくたびれていて、あーコレ、このつぎ雨が降ったら絶対破れるねという風情。

ところが前方のおじさんをチラチラと見るともなしに見ているうちに、いい年をした女があまりジロジロ他人様を観察するのもいかがなものかという気になってきた。しかしまた一方、こういうことは中途半端にしてもしかたがないのでもう少ししっかり観察した方が良いのではないか?という気も起きてくる。ここに葛藤が生じる。

見たいような、見たくないような…。ココロの戦いは石川町から山手の駅につくまで続いた。すっかり息苦しくなった私は、電車が山手駅に着くと同時に席を立って別の車輌に移った。こうしておじさんから解放された私は、新しく確保した席に腰をおろすと深々と安堵の息をついたのである。アー、くたびれちゃった!









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