夢見る汗牛充棟
DiaryINDEXpastwill


2000年03月14日(火) 歩く

歩く






風の中を歩く

耳に怒鳴る轟きが

脳を喰うので

他の何も考えられない

風の中を歩く

背中をどやす指先が

転ばせようと狙うので

身体には無数の穴があく

歩くために歩く

荒くれな風が透明な牙で

褪めた血液を吸い上げた

今日はのどかで

穏やかな春だ

穴だらけの私を

置き去りに

花びらだけが

いってしまった











(2003.04.12)


恵 |MAIL