歩く 風の中を歩く耳に怒鳴る轟きが脳を喰うので他の何も考えられない風の中を歩く背中をどやす指先が転ばせようと狙うので身体には無数の穴があく歩くために歩く荒くれな風が透明な牙で褪めた血液を吸い上げた今日はのどかで穏やかな春だ穴だらけの私を置き去りに花びらだけがいってしまった(2003.04.12)