夢見る汗牛充棟
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2000年04月03日(月) 常備薬

ざらざらとした錠剤の代わりに【あ】と【い】と【う】
めくるめく薬を身体に流し入れて
あふれんばかりになりぼんやりとたれている
手当たり次第音を立てて貪ったので
たらふくして酩酊して夢だか現だか
ざらざらとした錠剤の代わりに【え】と【お】と【か】
無数のふわふわした毒にひたされて
とめどなく眠りの世界と仲良しする
どこまで? もぐって 沈んで 目を開いたまま
何も見ないすべが ほうら ここにあるよ
ほら今は遥か高みを飛んでいるんだって
ここは無限の宇宙だし 神々の世界だし
雲間からあふれんばかりの光がさすのだし
照らされて そら うっとりする楽の音
永遠がここにあるよって 毒と毒と毒で
いつもでも たゆたって 揺られて 耳が拾う音は
すべて雑音でしょ ほうら 聞かなくていいから

ざらざらした錠剤の代わりに【本】と【本】と本当?
もう何に触れているのかわからないほどの眠りの中


(20060817)


恵 |MAIL