夢見る汗牛充棟
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2000年04月04日(火) 白い鳥

夢を見た
どうして飛ぶ鳥を捕えたいのか
翼あるものを手の中に置きたいのか
白いきれいな鳥だった
部屋にしまって鍵をかけ
窓という窓を閉ざした
わたしは知っている
鳥はほんとうはここに居たくはないのだ
たまさか気まぐれに部屋に飛び込んだのだとしても
閉ざした部屋のよどんだ空気を吸いながら
悲しそうな鳥をいとしんだ
水を運ぶ 白い羽を白くたもとう
鳥は水浴みを愛するだろうか
そして飲み水とうつくしい果実
わたしは鳥をどこへもやらない
どうして窓を開けてやれないのかと考えた
水を浴びながら鳥は灰色になってとけてゆく
これはきっともう鳥ではなかった


恵 |MAIL