夢見る汗牛充棟
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愛する土もなく 愛する風もなく 愛する水もない 寂しげな荒野に住んでいる
なつかしい匂いなく なつかしい色なく なつかしい音のなく 寒々しい世界のさらに果て
◇◇
それでも立たねばならないのか と
言えないかわりに呪詛描く 生まれた形がにくいと思う なぜひとでなければいけない
生き難いけれど逝き難い もはや何処へも行き難い たくさんの荷物が重たいばかり ほかの死の上 ほかの灰の上 愛だけがいつも留守をする
◇◇
お気に入りの歌を聞く こんな歌にひたされて 眠りたいと思う こんな夜のまま 目覚めなければいいと思う 孤独の海に深く沈んで 寂しがりながらとけたらいいと願う
また目覚めたと思う明日の手前にて
(20061215)
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