夢見る汗牛充棟
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木々の声を聴いて一日長く生きる 堤を歩き散る花や新緑を目にし三日長く生きる 世の中はけっこう美しいと思える夕方には 春の風はけっこう心地が良い けれど夕べにはスナック菓子をむさぼり喰らい 十日短く生きようと思う 夜更け酒精を流し込み一月人生を縮めて悦に入るのだ だってどうして明日目覚めなければいけない
読みたい本がいつまで生きる理由になる ピアノは相変わらずうまく弾けない 死ぬまでに弾きたい曲があるのに 指はちっとも動かない――酒を飲んだら尚更に どこまでもわたしの魂は見苦しい
木や草は美しいと思う 草むらで向こうを見ていた弓なりの猫の背筋も美しかった
本を読める幸せのために生きている夜と 生きているから生きてるだけの昼と 苦痛がいやだから生きているあわい 我慢比べだと思う今日とあるがままにいようと思った昨日の 何が違っているのだろう
曖昧な明日がこわい 言葉を喰って生きられたらと思う 孤独がこわいけれど人間はもっと恐ろしい
古い地層に眠った石ほど強くなれたらいいのに
(20070426)
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