夢見る汗牛充棟
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2006年11月19日(日) 路地裏の大英帝国 門山榮 川北稔 編

平凡社 平凡社ライブラリー

図書館で借り。読了。

イギリスの18世紀頃。
都市部に住むごく一般の人々の暮らしぶりを述べたもの。
食べ物について・病気について・使用人(メイド)について
などテーマ別になっています。

これ一冊では、歴史の勉強になることはないだろうけれど
歴史の本を読んでいると埋没しちゃって出てこないような階級の、
しかも生活の身近な部分なので興味深い。

保険の前身みたいな相互扶助組織についてと、
パブと飲酒について・飲食についてなど面白かった。

参考書代わりに一冊欲しいなとか思ったが、立派に
品切れっぽい。残念。古本屋で見つけたら買うしか。
ていうか、平凡社ライブラリーとか東洋文庫とかって
欲しいなと思うと品切ればっかしだよ……。
近くの図書館にけっこう置いてあるものの、ほとんどが
閉架なのでちょっとめんどいです。




一般に婦人は政治というものが嫌いである。亭主どもが
政治だといっては家事を放り出し、細君をないがしろにして
クラブ・ルームやパブリック・ハウスに行ってしまうからである。
亭主は夜家にいてくれて、パブリック・ハウスで金を使ったり、
あるいは酔っ払ったりすることのないように婦人達が願うのは
よくわかる。以上の点では婦人たちの言い分はまったく正しい。
我々も……この点について急進的な改革者たちは奥方の意向に
逆らわないことを希望する。

パブと飲酒の章より。1833年の論説なんだそうで。

書いた人の、結論のものすごい弱気っぷりに笑いました。
奥さんがさぞ怖い人であったのだろう。
「……また飲んできたの?」って。

人間そうそう変らんのですね。安心なような、悲しいような。


恵 |MAIL