夢見る汗牛充棟
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2007年01月04日(木) 金閣寺 三島由紀夫

新潮文庫

読了。

正直なところよく理解できない人種がいる〜ってふうな憂鬱な
気持ちで読み終わりました。

ひたすらな綿密な内面描写。独りよがりだろうが繊細で美しい
世界だといえないでもない。それほど言葉巧みに(三島さんだし)
丹念に内側を語る人の、行動の脳足りんさというか大雑把さに呆然と
いうか、なんというのか。

そこまで執着できるものがあっていいですね、と思いつつも
本当に羨ましいかと聞かれたらどうだろう。今十代の若者だったら
違ったかな。それなら私はこういう毒気をもっと身内に取り込んだ
かもしれないですけど。もう精神世界においても自分を中心に据え
られないから共感するより遠くから眺めるような気分?


でも自分を特別だって思えないような人は物語の主役にはなれない
のかもしれんけど。

好き嫌いは別として、絵として美しい文章だなーと思います。うっとり。


恵 |MAIL