夢見る汗牛充棟
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2007年03月14日(水) |
蜘蛛の巣 上・下 ピーター・トレメイン |
訳:甲斐萬里江
創元推理文庫 【修道女フィデルマシリーズ 1】
歴史ミステリ好きだわ、カドフェルシリーズ好きだわ ケルト大好きだわ、もう買うしかって感じ?
アイルランド幻想を読んだ時からすごーく楽しみに待っていた本。 その割には積読期間が長かったのだけど、なんか読み終わるのが いやだーという気持ちが。
でもついにお手つき。 そんで読み出したら案の定、上下巻にも関わらず睡眠時間削り まくって読んじまった始末です。こーなると思いました。 続きが気になって、途中でやめることが難しかったです。 全体的には厳しさの漂う話だと思います。
ケルトとかアイルランドとか聞いてときめく人は注釈まで舐めるように 読んでうっとりできます。ドルイドさんも出てきてもうたまらんです。
フィデルマと相棒役のエイダルフのコンビはたいそう良いです。
最初はフィデルマさん高貴な出で美貌でとりすましたおりこうさんじゃ 魅力に欠けるかなと思ったんですが、実はすごく誇り高くて厳しい 尖がった人で我慢ならないタイプにはきっちり手痛いお返しすることを 厭わない喧嘩っぱやさとか好きかも。かなり。 んで法律家らしい――弁護士ではなくて謹厳な裁判官って風な? 法律に対する頑なな信頼感とか。一歩間違えると欠点になりそうな 危うさが彼女の魅力なのかなと思います。
カドフェルさんみたいに酸いも甘いも噛み分けた懐の広さというのとは 対極にあるのですけど、これはこれで好ましいと思いました。
◇ 残念なこと。
読んでいて一作目じゃないのがよくわかるので前がかなり気になる事。
ええと本作は本来五作目にあたるのだそうです。
フィデルマとエイダルフの人間関係の変化、というよりフィデルマの 気持ちの変化? も面白いところなのかなと思うのでできれば一策目から 読みたかったかなと思いました。
◇ 続き早く出たらいいなーと思います。 海の向こうではもう十七作まで出ているそうです。 一年一冊ペースで発刊してるのなら、追いつく勢いで一年に三作くらい 出たらいいのになーと夢見つつ。
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