夢見る汗牛充棟
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2007年04月22日(日) 毒杯の囀り ポール・ドハティー

アセルスタン修道士シリーズ第一弾

古賀弥生:訳

創元推理文庫

修道士ものに弱いので購入。読了。

14世紀のロンドンが舞台。
中世の都市部の暗部や、どうしょうもなく不衛生な感じが
これでもかというくらい描写されていて見事でした。
気持ち悪くなるくらい暗くてどろどろしてました。
面白く読めました。

病める都市に悩める探偵たち。そして事件。
生真面目な托鉢修道士と腹に酒がつまってそうなおっさんが
コンビを組んで事件に挑みますよー。互いが心に傷を抱えつつ。

彼らは事件を解決しつつ、相互理解をふかめつつ、そのうち
自己の魂の救済にまで至るんでしょうか? はてさて。
一作目なだけあって、まだまだぎこちない二人でした。

これからどうなるんだろう。クランストンさんはちょっと
飲みすぎだと思います。肝臓は大事にしよう。
あんまり酒飲み過ぎて大立ち回りすると心臓に負担がかかり
そうで心配です。素敵でしたけど。

「修道士」と呼びかけられるたびに
「托鉢修道士です!」とむきになって訂正を入れるアセルスタン
さんの生真面目さは好ましかったです。

修道院に篭って俗世と関わらないで生きるのが【修道士】で
市井で人々を啓蒙しながら生きる【托鉢修道士】なんだから
一緒にしないで!! って気分なんだろうか? 

とりあえず、続きが滞りなく出ますように。なむー。


恵 |MAIL