「隙 間」

2005年08月22日(月) 僕と月

秋の夜長を思わせる涼しい風が背中を押す。
横を見上げると、白く輝く月が、僕を追い掛ける。
風にざわめく木々の音と、かかとがアスファルトを叩く音しか聞こえない。
月に背を向けると、風がネクタイを跳ね上げて首に巻きつける。
勝負はまだ着いてない。
月がそう囁く。
終わりの無い勝負は、また明日……
一度なだめるように見上げてから、ドアを開ける。
部屋からあらためて見た月は、淋しげに街を見下ろしていた。


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