A「見返りを求めてはいけない」 B「答えを急いではいけない」 A「目に見えるものだけを求めてはいけない」 ※「じゃあ、何を求めればいいの?」 A「目には見えなくても、そこにはきっとそれ以上のものがあるはず」 ※「目に見えないものを、どうやって確かめる?」 B「ことさらに確かめようとする必要がどこにある?」 ※「確かめられない、見えもしない、そんなものどうやって毎日を過ごせばいい?」 B「ことさらに急いで、形ある答えを求めて、自分で心を疲れさせることはない」 A「自分がこうしている、と言う事だけで、自分の心は満足できないのかい?」 ※「自己満足なんて、何の根拠も無い、誰にもわからない、まやかしだ」 A「まやかしでも、嘘でも、それがそうだと知らなければ、それこそが君にとっての現実なんだよ」 B「そう。恋に恋するなんて、よく言われてるじゃないか」 A「無償の愛、なんて素晴らしい言葉」 B「恋する自分に酔って、夢見る自分に溺れて、それで誰かに迷惑を掛けなければ、それこそ素晴らしい世界」 ※「そんな風にはなれない。世界は自分ひとりしかいないわけじゃない。自分以外の誰かと誰かと誰か達だっているんだ。答えが求められないなら、せめて、手応えくらい、欲しがったっていいじゃないか」 A「欲だね、欲。エゴ」 B「金が全てじゃない、なんて言いながら、こいつはきっと金を捨てる事が出来ないね」 A「そうそう。捨てないね、絶対」 B「小者だね、こいつ」 ※「小者だっていい。聖人君子なんかにだってなりたくなんか無い」 AB「開き直ったね、開き直り」 ※「世界中が平和でありますように、なんて大それたことは願わない」 B「偽善の仮面を投げ捨てたよ」 A「嘘でも、言わなきゃいけない事だってあるのにね」 ※「自分と自分の身の回りが幸せで、その事が少しだけでも実感できる手応えがあって、その相手が目の前の誰かだったら、なおさら嬉しい。」 A「目の前の誰かだってさ」 B「誰か、なんて、それこそ抽象的だね」 A「話にならないね。退散しよう」 B「そうだね、時間と労力の無駄だね。退散しよう」 AB「そうしよう、そうしよう」
|