「隙 間」

2005年09月08日(木) 実感……

A「見返りを求めてはいけない」
B「答えを急いではいけない」
A「目に見えるものだけを求めてはいけない」
※「じゃあ、何を求めればいいの?」
A「目には見えなくても、そこにはきっとそれ以上のものがあるはず」
※「目に見えないものを、どうやって確かめる?」
B「ことさらに確かめようとする必要がどこにある?」
※「確かめられない、見えもしない、そんなものどうやって毎日を過ごせばいい?」
B「ことさらに急いで、形ある答えを求めて、自分で心を疲れさせることはない」
A「自分がこうしている、と言う事だけで、自分の心は満足できないのかい?」
※「自己満足なんて、何の根拠も無い、誰にもわからない、まやかしだ」
A「まやかしでも、嘘でも、それがそうだと知らなければ、それこそが君にとっての現実なんだよ」
B「そう。恋に恋するなんて、よく言われてるじゃないか」
A「無償の愛、なんて素晴らしい言葉」
B「恋する自分に酔って、夢見る自分に溺れて、それで誰かに迷惑を掛けなければ、それこそ素晴らしい世界」
※「そんな風にはなれない。世界は自分ひとりしかいないわけじゃない。自分以外の誰かと誰かと誰か達だっているんだ。答えが求められないなら、せめて、手応えくらい、欲しがったっていいじゃないか」
A「欲だね、欲。エゴ」
B「金が全てじゃない、なんて言いながら、こいつはきっと金を捨てる事が出来ないね」
A「そうそう。捨てないね、絶対」
B「小者だね、こいつ」
※「小者だっていい。聖人君子なんかにだってなりたくなんか無い」
AB「開き直ったね、開き直り」
※「世界中が平和でありますように、なんて大それたことは願わない」
B「偽善の仮面を投げ捨てたよ」
A「嘘でも、言わなきゃいけない事だってあるのにね」
※「自分と自分の身の回りが幸せで、その事が少しだけでも実感できる手応えがあって、その相手が目の前の誰かだったら、なおさら嬉しい。」
A「目の前の誰かだってさ」
B「誰か、なんて、それこそ抽象的だね」
A「話にならないね。退散しよう」
B「そうだね、時間と労力の無駄だね。退散しよう」
AB「そうしよう、そうしよう」


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