「隙 間」

2007年01月01日(月) 新年明けまして、「哀愁的東京」

明けましておめでとうございます。
本年も変わらずのご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

さて、新年一作目は……
重松清著「哀愁的東京」
です。
フリーライターでありまた絵本作家でもある主人公が、絵本を書けなくなり、ライター業で出会った人々を通じて「東京」をスケッチしてゆく物語。
東京という街は、何かを手にしてゆくよりも、失い懐かしむことが増えてゆく街、なのかもしれない。
手にすることがないわけじゃない。それこそ溢れるほどある街なのだろうけれど、手にする喜びは束の間になるほどに次々と溢れ、噛み締めるゆとりを見失いがちになる。だから、失ったときにだけ感じるものが殊更、色合いが強くなってしまう。

「東京」の片隅に束の間の茅舎を構えている身として、そんな街は厳しくも寂しくも、そして魅力的でもある。
まだ守るべきところには、ない。
だから、いましばらく竹林の隙間からこの街を見る者として、茅舎を構えていよう。
温かい場所に身を寄せるには、まだ、早過ぎる。それにまた、風の中に出てゆきたくなるのだろうから。


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