| 2008年01月27日(日) |
「AMEBIC(アミービック)」と感慨 |
さも意味ありなん、な前振りをしたけれど……汗
金原ひとみ著「AMEBIC(アミービック)」
「蛇にピ〜」「アッシュ・ベ〜」に続く長編三作品目の文庫化。
はっきりいって、彼女の作品はかなり特殊な世界・作風で、好き嫌いがはっきりわかれると思う。
イッちゃてる
と、毛嫌いされているやもしれない。
わたしより、九つも若い。 芥川賞を受賞したときは、二十歳を過ぎた頃という若さだった。
このアンダーな感覚、ディープな感覚、は圧倒的。 そして、
刹那な切なさ
が、理由もわからず、じんわりと、こびりつかされてしまう。
隣のテーブルで、カップルが結婚指輪のデザインについて、デザイナーの女性と打ち合わせをしていた。
「石をつけるか……」 「シンプルだけど……」 「イメージに近い既製の……」
クロッキーノートにホルダーの鉛筆でひと書きしたり、雑誌の付箋を開いたり……。
「そこらへんは、おまかせで……」
おまかせで、て、オーダーの意味がほとんどなくなってんじゃねーの? ほら、デザイナーさんだって、微笑みながらなんか困った様子だし。 ま、そんなの幸せなふたりにはなにもかんけーねーって?
反対側の隣のテーブルは、日大の建築科生がノートパソコン開いて、
「そのテクスチャー、ちょーだい?」 「内装かっちょよくねー?」 「断面展開、二面でごまかすべ」
やいのやいの……。
落ち着きあるテーブルと騒がしく若さ弾けるテーブルに挟まれ、このテーブルはかつてそのそれぞれを辿ったことのあるという感の波に揺られ、漂っている。
どこに辿り着くのか。
それとも、
流れ着いてしまうのか。
そのどちらでも、いい、のだと思う。
辿り着いた岸で、何ができるのか。 辿り着けなくても、何をしたのか。
ただそれだけ、でいい。
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