重松清著「その日のまえに」
パブロフの犬……です。 完全に。
御茶ノ水のいつものカフェで、両脇を日大の建築科の学生にかためられ、右の席の彼がエスキスのスケッチに悩む姿を横目で見て、
うんうん、そういうイメージなわけね?
左の席の彼がパソコン開いてCADで描いてるのを見て、
設計図面なの? デザイン図面なの? どっちなの?
と、微笑ましく思いつつも密かにツッコミをいれてみたり(笑)
それが、途端に一転して……汗
オッサン(認めたくはないけれど)が、えぐしえぐし、と嗚咽をこらえているという有り様に……汗
縦糸に表題作である「その日のまえに」「その日」「その日のあと」の家族の物語を描いた連作短編作品。
やがて死へと向かってゆく命を目の当たりにしてきた、せざるを得なかったものたち。
また、ガンですか(汗)
「その日のまえに」の「その日」とは、その日のことです。
生きてゆく意味、死んでゆく意味を考えること。 それができることにこそ、意味がある。
この一節。
その日を迎えるために、やはり準備は、時間は、必要だと思います。
消去しておきたいデータや、「これは日記や手記ではありません。創作用メモ帳であって、本人の意思を綴ったものではありません。あしからず誤解なきよう」と、赤ペンで書き付けておかなければならないネタ帳やらがあるものですから……汗
なんだ、あいつはこんなこと考えてやがったのかっ。 恥ずかしいっ。
と、言われてしまいそうだし(笑)
その日を前にした妻が夫に残した最期の手紙があります……。
ヤられました。
わたしがネタ帳の中でいくつもバツ印をつけたまま拾いきれずにいた、だけれども、まったく同じ「ひと言」という形で……
そうか、そっちの言葉かっ。
そこまでの夫婦の関係を見つめてゆくと、たしかにその言葉が「らしい」と思える。 わたしのそれは、たしかにまだ、そこまでの過程に耳を傾けずにいたからこそ、空白のままではあるのだけれど……。
ちっ。 それ以外の言葉を、きっと、聞いてやるっ。 ……たぶん。 それまで、まだまだじっと、時間を重ねておいてもらいましょう(汗)
……こんな奥さん、素敵です。
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