「ソレハソウダケド」 (……ンムチュッ) 「ダカラソウイウ……」 (……ンムチュ、チュッ)
おっちゃんとアジア系ホステスさんが、隣のテーブルで粘着性ゆたかな「チッス」を繰り返してました。
ここはドトです。 わたしと彼らしか、フロアにいませんでした。
え、ええっ……?
マンガのような「二度見」をしてしまいました(汗)
ふたり乗りの自転車は、よろよろと、まるでふたりの気持ちのように揺れながら……ムチュっとくちびるに吸い付きながら……。
ちゃうちゃう。 そんな場面とちゃうっ。
「そんなとこも、キライじゃないス」 「わかったフリしても、わたしにはわかってるんだから……。ダカラソウイウノ、関係ナイヨ(ムチュチュッ)」
……ああっ、クソ。 ペンが勝手に(汗)
あれだけ「小気味よい」音の、粘着性ゆたかな接吻は、お見事としかいいようがありませんでした。
せめて階段の踊場とか、柱の影とか、そういうとこでにしましょうや。
もしくは、
さりげなく そっと 軽く
とか。
おっちゃんも、見た目が還暦を越えてそうだったから、そんなことが、とても、子どものように、うれしい、スキンシップ、なんでしょう……汗
オレだって、自分の二の腕に吸いついて、同じくらい気持ちよい音を出してやるぅっ……。
長袖だし、まくるのめんどうだし……。
ちっ。 命拾いしたなあ、おっちゃんら。
……それはわたし自身のほうかもしれません(笑)
彼の唇は苦い味がした。 それは、彼がそのちょっと前まで煙草をくわえていたからなのか。
わたしだけがひそかに決めていた、それが彼との最後の口づけだったからなのか。
鏡の前で、わたしは口紅をひきなおす。
艶やかな輝きを取り戻したわたしが、向こう側に滲んでいた……。
さあて、いきましょうか(汗)
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