白日の独白
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2004年03月18日(木) さよならピアノ。

お母さんはピアノを運び出す人に頻りに話し掛けていた。
玄関から出て行った時、泣きそうな顔をして何度も御辞儀をしていた。
僕は使い古された布に包まれて、横向きになってるのが面白なと想った。
新しい家には置く場所はないからと、僕に何の話も無く売る事に決まっていた。
それも当然。今は唯の物置になっていたし。
ちゃんと練習したのは最初の10年だけだったし。
だから寂しさは感じない。
そう決めたから。

僕にはピアノの空間分の壁の白さと、15万円が残った。


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