白日の独白
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流石戦前なだけあって、酷く実用的で恐ろしく雑だった。 使い古され埃っぽいのに妙に生生しいそれを彼女と眺める。 ふたりで溜息をつき何だか居た堪れなくなる。 夜、部屋で何も知らない彼女が君にそのことを話していた。 君は「お腹が痛い」と顔を伏せた。 君の痛みが伝わってくるのだけれど、でもそこまでだ。 失念する程度の共感。追体験はやらなければ出来ないのだ。 痛みとは結局は個人的なもの過ぎて、だからこそ人には残酷になれる。 君の秘密を知っていたのに、僕は気付かない振りをした。 それ以外僕に何が出来たと言うのだろう。
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