for want of a better word
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一年四ヶ月ぶりのデート。待ち望んだ君とのデートはとっても素敵な時間だった。
桜木町で待ち合わせ。今日は遅刻しないからって言ってたとおりに、ほとんど遅刻せずに来てくれた。
映画の上映時間まで、フレッシュネスバーガーで1時間半ほど近況を話してくれた。サークルがほんと楽しいこととか、新しく始めたバイトの話とか。 スパイダーマン2は、すごくかっこよくて、良かった。どこにでもいる大学生がヒーローで、ごくごく普通の人間だから感情移入が出来るのか、普通のヒーローものよりものめり込んだ気がする。
映画を見終わって、赤レンガ倉庫や山下公園をのんびりと歩いて、ベンチに座ってアイスクリームを食べながら話をした。やっぱり僕は聞き役で、色々はなしてくれる君に相づちを打つのがうれしくって。 あたりが暗くなってきて、観覧車に乗るかランドマークタワーに上るかって話で、やっぱりゆっくりしたいからランドマークタワーにいこうってなって。
のんびりと歩いて、ランドマークタワーまで戻った。みなとみらいの夜景はやっぱり上品で、君も気に入ってくれたのが嬉しかった。 「夜景って切なくなるよね」「彼氏欲しくなるなー」って呟きながら、君は写メールで観覧車を撮った。 途中でベンチが空いたのでそこにすわって夜景を見ながら話した。 僕は君がかけがえのない大切な人だよって言う話をした。 君は 「君に彼女が出来たらやっぱりちょっと嫌だな」 「私は彼氏出来ても君と遊びにいくから」 ってすっごく嬉しいことを言ってくれた。僕だって君に彼氏が出来たらちょっと嫌だよ、でも僕は彼氏じゃないからどうしようもない。僕だって彼女が出来ても君と遊びに行くよ。たとえ彼女に内緒にしてでも君と遊びに行きたいよ。 二人で写真を撮った。カップルのようなツーショット。 「何で私たちもっと遊ばなかったんだろうね」君はそんなことを言うけど、僕は結構君をデートに誘ったんじゃないかなぁ。そしたら君は「私日にちを指定された方がいいんだよね」って君とデートをする方法を教えてくれた。 「どうする?私たち結婚したりしたら。ウケるよねそしたら」 「でも俺結婚はしたくないかなぁ、君とは」
君は「何で私たち付き合わなかったんだろう。…きっと友達でいたいからだよね」って呟いてた。
プリクラをとった。僕はプリクラをとりたがるくせに、不器用だから何も面白いプリクラがとれない。いたって普通のプリクラ。どのカップルでもとれそうなプリクラ。
二人暮らしする君の家に行った。同居人は日本酒を用意してまっててくれた。 1時間ほどしてもう一人友達が来た。4人で飲んだ。 酒が足りなくなったから同居人と二人で買い出しにいった。 「なんか嬉しそうに言ってたよー、今日デートだーって。」 「良いねー仲が良くて」 そんな話をしながらの買い出しだった。
同居人がつぶれて、あとから来た友達も寝だして。 残りの酒を僕と君で空けようとしてどんどん飲んでるときに、気がついたら僕たちは手を握ってて、気がついたら僕は何故か涙を流して、気がついたら僕たちは抱きしめあってた。何故か、寝てる友達が実は起きていそうってのを気にして、何故か、僕たちは部屋を変えた。
ベッドの上で僕は君を抱きしめながら沢山泣いた。君は抱きしめ返してくれながら「なんで?なんで泣いてるの?」って気にしてくれた。僕は何故涙が溢れ出るのかわからなくて、わからない、って言いながら君の頬や肩を涙でぬらした。チューをしたようなしていないような、軽く触れる程度はしたのかもしれない。君はなんだかチューをしたがっているようで、僕の指に君の唇が絡みついたことだけは憶えている。君は明日のサークルがあるから寝た方がいいよと言って、ベッドを去ろうとすると、君は僕の手を離ずに、「行かないから良いよ」って。僕はずっと涙が止まらなくて、こんなに誰かの前で泣いたのは久しぶりで。僕は君を寝かそうとして、君の手を握って。そしたらまた涙があふれて、君をまた抱きしめて。その繰り返しだった。君から離れようとしているときに居間で物音がして、君はようやく手を離してくれた。
居間で起きた奴とテレビゲームした。「俺はお前が泣いて二人でどっかいったことなんて全然知らないから」なんて言われて、やっぱり起きてたのかよって恥ずかしくなった。
朝起きたらそいつは用事があって早々と帰っていた。同居人は部屋で寝て、リビングで君とまた話をした。 「何で泣いたのか全然わかんねーわ」 「ぼろ泣きだったよね、俺」 君は、日本酒のせいだね、って。 何となく、僕は君の手を握った。握り返してくれた。 何となく、抱きしめてみた。抱きしめ返してくれなかった。「もう朝なんですけど」 やっぱり抱きしめ返してくれないんだね、って僕は呟いた。 君は「彼氏つくろ、君とずっと友達でいたいから」って呟いた。
もう一眠りして、ダラダラと過ごした。君は結局体調が悪くてサークルに行かなかった。僕はいらなくなった女性誌をもらったり、洗い物をしたり、3人でテレビをぼんやりと見て、ディズニーシーに行ったことがないのを彼氏や彼女と行くのにとっておくか否かっていう話をしたりして、あっという間に夕方になった。
僕は帰ることにした。「また、11月ぐらいにデートに誘うんで」っと言って、家を出た。
帰りの電車でメールを打った。
『 マジ元気でたよデートできて 夜に何でぎゅってしながら泣いてたのか全く思い出せなくて、なんだかよくわからないけど今も切ない気持ちで一杯で。次のデート、友達の俺がシーに誘って良いかわからないけど、彼氏いなかったら誘おうかな
今日はマジでありがとう 』
僕はデートできてほんとに嬉しかったし楽しかったし、君と手を握ったり抱きしめあったりすることで男女間の友情は成立するって言うのに確信を持てた。 けれども、何でこんなに切ない気持ちになるんだろう。前にデートしたときもそうだった、君とデートするといつもなんだか切なくなる。
僕は何で泣いたんだろう。たぶん、君のことが本当に大切で本当に大好きで。大好きだけど僕は君の彼氏じゃないから君が彼氏を作ることに何も言えなくて。大好きだけど、付き合ったりして君との大切な関係を最終的に壊したりしちゃうんじゃないかって言うことが怖くって。そういうどうしようもない君に対する感情が、涙になって現れたんだと思う。
でも、僕の一番の願いは、大切な友達の君が幸せになってくれること。僕はそれが一番嬉しいんだよ。
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