くじら浜
 夢使い







夢の交差   2003年07月02日(水)

太陽の瞬く間に人は夢をみる。
昇る煙柱に左前方から射された光の様は
何本にも遮断された蜃気楼のようで
前頭葉とその煙線は明らかに密着し融合し
吸い上げる小動物の管の如く
僕の意識はいっぽんの線になり天へと向かう。
求める者は光で求む者は魂で
意識下の抑揚がそれを夢と呼ぶならば
確かにこの空間は幾層にも重なるビルディングであり
交差するジャンクションであり
平行な反対車線であり
この渇ききったコンクリートの中であろうと
青い海原だろうと
そのいっぽんの線があるならば
いつでも夢をみる。
決して遇うことのない意識はただ無差別にすれ違うだけで
君との交差は既に歴史の遺伝子に組み込まれていた。





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