白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2004年07月25日(日) 友鷹SS『戻り道』(22日掲載『君と』の対)

○ああ頂いた宝物とラ○友雅の色紙をついつい手に取り眺めてしまいます。至福…。(色紙についての詳細は昨日の日記の冒頭に;)

○あたたかい拍手をありがとうございますv
とても励ましていただいていますv

○22日に書きました友鷹poem『君と』に対応する小さなSS『戻り道』。
鷹通視点です。たまには違う文体で…。





「もう、ここへは来ません」
下を向いたまま、自分と彼とに云いきかせるように云った。
云った途端、どっと込み上げてきた感情は。
死んでしまいたいほどの寂しさと、あふれるばかりの彼への想い。

ああ、私はこんなにも彼を、心がちぎれるほどに彼を、想っていた――

そのまま声もなく嗚咽する私の肩を、彼はそっと抱きしめてくれた。
「どうして泣くの、鷹通…。君が、決めたことだろう…?」
その声があまりにも優しくて。
その手が縋らずにいられないほどあたたかで。
私はいっそう悲しくなった。

「身体を大切にね」
その声を最後に、私はマンションのドアを閉めた。
見上げればどこまでも青い空。
冬の薄い陽射しを受けて、私は外に歩み出た。

一足ごとに、彼が遠くなる。
もう来ることのない道。
この街路樹も、あの公園も、二度と彼と見ることはない。

たくさんのふたりの思い出を、この街に置いていこう。
何一つ、残さないでゆこう。
持ってゆけばつらくなるから。
彼を思い出してしまうから。






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桂子 [HOMEPAGE]