白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2005年06月14日(火) 毎日が祝祭 アール・デコ展


 
 
 
先日読んだアール・デコの本の帯に、
「1920年代 毎日が祝祭だ!」
というあおりがあったのですが。

昨日、まさにその祝祭を追体験するような、
大きな美術展、「アール・デコ展」に行ってまいりました。

上野・東京都美術館は、昨年の催しマルモッタン展も
素晴らしかったのですが、今回は絵画にとどまらず、
家具、ドレス、宝飾品、電化製品、ポスターに絨毯、
シガレットケースやグラス、
果てはホテルのエントランスそのものまで。

身の回りのあらゆるものが「アール・デコ」というスタイルを
反映し、すべてでひとつをなしていたことがわかる、
見ごたえの大きなものでした。


(大きすぎて昨日は帰宅後もぼうっとしてしまい…
いつも追い追いの日記がさらにここまで
ひっぱられました…;)


全体でひとつを表している、時代を見せてくれている、
そんな印象がとても強いので、個々の展示に踏み込んで記すのは
わき道に逸れるという気もするのですが…


それでも特に心に残ったことを取り出すと。

まずはマリー・ローランサン。
これまで、幾つかの美術館でこの画家の絵は見てきたのですが。
「ああ、綺麗だなあ、お洒落だなあ」とただそういう、
好印象を持っていただけでした。

けれど、アール・デコで統一された室内に、
この画家の絵がはめこまれたその時。
ああ、こういう室内の中でこそこの人の絵は活きるのだと。
この室内に、ほかの絵ははまらない、イカールやミュシャでは
違うんだ、と初めてそんな風に絵を眺めました。


そしてその絵に続き現れた、ガラスケースの白い衣装。
一瞬、クー・○ラックス・○ランを連想させ、ドキっと
心臓がはねたのですが、
恐る恐る近づくと、言いようの無い胸のつまりを覚える。

木綿の白布に、黒い三角布がぽつんぽつんと付けられた、
その衣装は見れば見るほどに、崇高な感じが伝わってくる。

ふと、横のプレートに目を遣れば、
『「ナイチンゲールの歌」の哀悼者のための衣装
アンリ・マティス』と
書いてありました。


マティス……またも私の胸をつまらせる……


アール・デコとマティス、というのは不勉強な自分は
特に強く結びつけて把握はしていなかったのですが、
単純な直線と曲線で、子どもが描いたようなデザインで、
強いものを見る者に与える、
光のようなものを見せてくれる、
アール・デコのスタイルを踏襲しつつ、
それ以上の何かを表現している、
そんな芸術家・デザイナーでも彼はあったのか…と、
今回の展示でまた、彼に大きく惹かれることになりました。


(そういえば後年の彼の代表作のひとつの名前は
「ジャズ」。まさにこの20年代に花開いた音楽でありました…)



また、上の写真の右下に出ているのは、
「ストランド・パレス・ホテルのエントランス」、
会場内に、原寸大の大きさでどんと大きく建っていて、
「ああ、私もその扉の中に入ってゆきたい…」と、
きらきらと光る扉をまぶしく見つめたことでした。

(そしてこの迫力には多くの人が魂を抜かれ、
ひととき扉の向こうの20年代にタイムスリップ
なさっておられました…)


翡翠のペンダントなどもたんとあり、
白虎萌えもあったのですが、
自分が最も印象に残った展示は上あたりでした。


機会がありましたら、あじさい見がてら
ご堪能くださいませ。
 
 
 


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